
エルエルビーン(L.L.Bean)をご存じでしょうか。
日本でも人気のブランドで、ビーンブーツやトートバッグを見たことがある方も多いと思います。
Stock HillではL.L.Beanも数多く取り扱っています。
理由はシンプルで、僕たちが好きなブランドだから。
ここではその歴史と魅力をお伝えします。
足を濡らしたくなかっただけだった
1912年、アメリカ・メイン州フリーポート。
レオン・レオンウッド・ビーン、通称「L.L.」という男が小さな会社を始めました。

|出典= http://www.state.me.us/sos/kids/allabout/people/ll_bean.htm
彼は12歳で両親を亡くし、親戚の家を転々としながら育ちました。石鹸売り、乳業、洋服店の店員とさまざまな仕事を転々としてきたけれど、ずっとアウトドアだけは好きで、狩猟と釣りが人生の楽しみでした。
ある日の狩猟帰り、また足がびしょびしょになりました。
「もう嫌だ、いいブーツを作ろう」。
それがL.L.Beanを始めるきっかけになりました。
革のアッパーとゴム底を組み合わせたブーツを考案し、メイン州の狩猟ライセンス保有者リストを入手してダイレクトメールで売り出しました。こうしてビーンブーツが誕生しました。
L.L.Bean公式 ビーンブーツ特集 |L.L.Bean公式オンラインストア
ただし最初の100足のうち90足が返品されました。ゴムがひび割れてしまったのです。
ビーンは全員に全額返金し、400ドルを借りてメーカーと協力してブーツを改良しました。
最初は失敗。でもそこで諦めず、誠心誠意お客さまと商品に向き合った。
すべての商品を、自分でフィールドテストした
L.L.Beanはもともとガチのハンティング・フィッシングブランドでした。でも他のブランドと決定的に違うことがありました。
ビーン自身の言葉がこれです。
この事業が成功した最大の理由は、間違いなく、自分が扱うすべての商品をトレイルで実際に試したことだ
自分で使って、良いと思ったものしかカタログに載せない。
言葉にすれば簡単ですが、それを本当に実行し続けたことがすごい。
ハンティング用ブーツから始まったカタログは徐々に広がり、気づけば「アウトドアを愛するすべての人のための店」になっていました。
鍵を捨てた——年中無休営業の裏話
1951年、フリーポートの旗艦店が365日24時間営業を始めました。そしてそれは今も続いています。
この年中無休営業を始めた理由はシンプルです。
狩猟や釣りに行く人たちは生活リズムが違い、夕方遅くや早朝に必要な物資を求めて夜通し車を走らせてくることが多い。
そういう人たちのために、ビーンは昼夜を問わず店を開け続けました。
そしてこの会社が唯一店を閉めた日があります。
1967年にL.L.ビーンが94歳で亡くなったときです。
会社には5万通もの弔辞が届き、24時間営業を続けてきた店が初めて営業を止めました。
そのエピソードが、彼の偉大さのすべてを物語っています。
エルエルビーンのゴールデンルール
L.L.ビーンはこんな言葉を残しています。
「良い商品を適正な利益で売れ。お客さんを人間として扱え。そうすれば必ずまた来てくれる」
これをL.L.Beanでは「ゴールデンルール」と呼び、最も重要な考え方としています。
どんな場合においても誰よりもお客さまファースト。
それが今でもこのブランドが愛される理由だと思います。
シャモアクロスシャツ|1927年から続く名作
ビーンブーツの次にL.L.Beanを象徴するアパレルといえば
シャモアクロスシャツです。
シャモア(chamois)とはヨーロッパの山岳地帯に生息するカモシカの一種で、その皮の柔らかさに似せたコットン素材がこのシャツの起源です。
本物の革の代わりをコットンで作ろうとしたのが始まりで、1927年に「レザレットシャツ」として登場し、
1933年に「シャモアクロスシャツ」に改名されました。
あの独特の柔らかさの秘密は、ポルトガルのコットンを両面7〜8回ずつブラッシングして起毛させる製法にあります。
着た瞬間に「あ、これだ」となる感触。
シャツなのにジャケット代わりになる厚さで、でも重くない。
古着で出回っているものはさらに生地が馴染んでいて、新品では出せない柔らかさがあります。
フリースジャケット|フリース普及の立役者
もうひとつ、古着市場で特に人気が高いのがフリースジャケットです。
1981年、マサチューセッツ州のマルデンミルズがポリエステルを起毛させてフリース素材を発明しました。
今で言うPolartec(ポーラテック)です。
ウールより軽く、乾きやすく、安い。
L.L.Beanは1983年に早くもフリースを採用し、大衆に広めた最初期のブランドのひとつになりました。
特に90年代のカラーブロックや総柄プリントのフリースが古着として圧倒的に人気で、L.L.Bean自身が1992年のデザインを復刻して限定販売するほど需要が高い。
Stock Hillでも見かけるたびに「やっぱりいいな」となるアイテムです。
L.L.Beanと日本|Take Ivyから始まった特別な関係
1965年に日本のスタイリスト4人がアイビーリーグのキャンパスを撮影した写真集「Take Ivy」をきっかけに、日本の若者がアメリカのプレッピースタイルに熱狂しました。L.L.Beanはその文化の中心にありました。
1976年には東京原宿のBEAMSでボートアンドトートバッグが取り扱われ始め、日本でのL.L.Bean熱はどんどん高まっていきます。
1990年代初頭には、フリーポートの旗艦店に日本人観光客が毎日バスで押し寄せるようになりました。
これを受けて1992年11月、メイン州以外で初の店舗を東京に開きました。
ちなみにボートアンドトートバッグのブームは、アメリカより10年早く日本で起きていました。
非上場であり続けること
創業者L.L.ビーンが1967年に94歳で亡くなった後、孫のレオン・ゴーマンが引き継ぎ、さらにひ孫のショーン・ゴーマンが今も経営に関わっています。
100年以上、ずっとBean家が守ってきた会社です。
株主のために短期的な利益を追わなくていい。それが品質への妥協のなさにつながっているのだと思います。
それでも、古着が一番かっこいい
L.L.Beanのデザインチームは年2回、全国のフリマや古着屋を回ってヴィンテージのL.L.Beanを買い集め、新作デザインの参考にしているそうです。
自分たちの過去に、自分たちが一番敬意を払っている。
僕たちがL.L.Beanに魅了されるのは、たぶんそういうことだと思う。
📍 埼玉県北葛飾郡杉戸町下高野2376-3
🕘 24時間365日営業(無人)




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