ピンバッジひとつで、服は変わる
いつものデニムジャケット。いつものキャップ。
そこに小さなピンバッジをひとつ付けるだけで、不思議と特別なものになる。
このたびStock Hillに、ヴィンテージのピンバッジが大量に入荷しました。

ただ、付け方の話をする前に、いつものようにこのピンズたちがどこから来たのかを話したい。
実はこの小さな金属たちには、ちゃんと物語がある。
ピンバッジの小さな歴史
ピンバッジが世界的に広まったきっかけは、1980年のレイクプラシッド冬季オリンピックと言われている。
スポンサー企業のロゴや大会のマスコットをかたどったピンが記念品として作られ、多くの人の目を引いた。
そして1984年のロサンゼルス五輪。コカ・コーラが会場に交換専用のブースを設けたことで、選手や観客がピンを交換し合う「ピントレーディング」の文化が一気に広がり、ブームが決定づけられた。
ピンバッジは、単なるイベントの付属品から、それ自体が集める価値のあるものへと変わっていった。
1990年前後、フランスで爆発した
そして今回の主役の話。
ブームはアメリカからヨーロッパへ飛び火する。1988年、パリで開かれたテニスの全仏オープン(ローランギャロス)をきっかけに、フランスで「pin’s(パンス)」と呼ばれる空前のピンズ収集ブームが起きた。
面白いのは、これらの多くが「売られていたもの」ではなく、企業が販促用に無料で配っていたということだ。
例えば、ガソリンを入れるとTotalやelfのピンがもらえる。


こちらはelf
スーパーの催事でもらえる。保険会社も、パン屋も、電話帳の会社までもが、こぞって自社キャラクターのピンを作って配っていた。
そして1992年のアルベールビル冬季オリンピック(フランス開催)でブームは頂点に達したのだ。
今回入荷したピンズの中には、その時代の空気がそのまま残っている。
・バルセロナ五輪92の公式マスコット「Cobi」。
・1992年に開園したばかりのユーロディズニーとKodakのスポンサーピン。
・今はもう存在しないフランスのスーパー「STOC」や「Mammouth」のピン。
・タバコ広告が規制される前の、MarlboroのF1ヘルメットピン。

公式マスコット「Cobi」

ユーロディズニーとKodakのスポンサーピン

フランスのスーパーMammouth

配られて、集められて、それが今再注目されている。
今回のラインナップ
入荷したピンズはざっくり4つの系統に分けられる。
全てハンドピックしたもので、僕らの好きを詰め合わせたものたちです☺
・企業のマスコットたち ブタがアイコンのファッションブランドNAF NAF、ギターを弾くポテトのVICOなど、キャラの濃さは90年代ならでは。
・ディズニー・カートゥーン系 ユーロディズニー開園当時のピンや、バックスバニー、ラグラッツなど。ディズニーアニメ「テイルスピン」の仏題「SUPER BALOO」のピンはファンにはたまらないはず。
・自然系 木、葉っぱ、クローバー。ガソリンスタンドが無鉛ガソリンのPRに木のピンを作っていたのも、時代の転換点を感じる。
・アニマル系 ゾウ、キリン、マンモス、コウノトリ、イノシシ。フランスの精肉店や農家民宿のピンまである。


アイテム別・ピンズの付け方
ここからは実用編。僕たちが実際に付けてみた写真と一緒にどうぞ。
デニムジャケット

王道にして最強の組み合わせ。定番の位置は襟、胸ポケットのフラップ、前立て。
デニムは生地が厚くて丈夫なので、ピンの重さで型崩れしにくく、穴も目立たない。複数付けてもサマになる懐の深さがある。
キャップ・ハット
正面に1個、またはサイドにさりげなく。
キャップは面積が小さいぶん、1個で決まる。お気に入りを主役にする付け方が似合う。
バッグ・リュック
ストラップやフロントポケットに。
バッグは「育てる」楽しみ方ができるアイテム。旅先や思い出のピンを少しずつ増やしていくと、世界に一つのバッグになっていく。
ポロシャツ・シャツ
襟元に小さく1個。
これが意外と上品にハマる。胸ポケットの上もあり。シンプルな無地のシャツほどピンが効く。
最後に
ピンバッジの良いところは、気軽なことだ。
服を一着買うほどの覚悟はいらない。でも、30年前のフランスで配られていた小さな金属が確実にいつものコーデが変わる。
それって、古着の楽しみ方そのものだと思う。
店頭でぜひ、お気に入りの一個を探してみてください。


Stock Hill(埼玉県杉戸町)

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